事実は小説よりイキナリ

実は去年の10月頃から宮古のおばあちゃんと連絡が取れなくなった。
何度か一緒に住んでる叔母さんが電話に出たが、
なんだかんだとおばあちゃんと代わってくれなかったのだ。

宮古の友人から、
「あんたのおばあちゃんの家がなくなってるよ！」って言われ、慌てて電話したら
「ああ、今新しく家を建ててるよ。
道路拡張で家を壊さないといけなかったからね。」

道路の話は以前にも聞いていたが、家を建てているのは初耳だった。
だから、おばあちゃんに会いに行きたいって言うと、
叔母さんは、「今は来るな！」と言っていたのか。
秘密にする必要があったのか？
その後は開き直っていたが、そのうちおばあちゃんが最近
ボケてきてると言い出し、話しが出来る状態じゃないと、
だから会いに来ても無駄だと言って私を遠ざけようとした。

年末年始も、毎週末も電話に誰も出ない。
ところが数日前、母から
「おばあちゃんが入院してるって！」と聞き、とにかく電話をした。

叔父さんが出た。叔母さんはシャワーだと言う。
叔父さんでもいいから、聞いてみた。
「おばあちゃんが入院してるって本当？」
「そうだよ、でも入院じゃなくて施設に入れてある」
「はぁ？！」
「もう結構なるよ。数ヶ月くらい。」
「何で教えてくれなかったの？！」
「なんで教える必要がある？」

この発言にブッチーンと切れた。

「なんでそんなこと言うの？！」
「今まで何もしなかったくせに、今更なんだ！」
「何もしなかったって、それどういう意味？！」
「恩義があるくせに、金ばっかりせびって、車も買ってもらってただろ！」

それこそびっくりだ！
おばあちゃんには、どんなに生活が苦しくても
今まで一度もお金をせびったことはないのだ。
それに車だって、ボロボロの中古だし、しかも自分で買った。
おばあちゃんの誕生日や収入があったときは、カステラやお茶を送っていた。
何もしていなかったってどういうこと？！

なぜそんな訳のわからんことをこのヒトは言ってるの？

そう言えば、時々頼みもしないのに叔母さんが、
「おばあちゃんからお小遣い貰ってあげたから送るね」
と電話があった。そして必ずおばあちゃんに代わって
お礼を言うように言われたのだ。
思い起こせば、おばあちゃんは私のために100万送ったと
言っていた。すぐに叔母さんに電話を取られたが・・・。
しかし、送金されたのは数万円。
そういうことが何回かあった。

ひどい！
おばちゃんの私への想いを利用して、名前を出しては
何度もお金を巻き上げて、家を建て、出来上がったから用なしと
ばかりに施設に送ったのか？！

そして私が悪者になっている。
叔父さんの言葉は、私のおばあちゃんへの想いも
ぐちゃぐちゃに引き裂いたのだ。

電話口で、叔父さんと大口論となった。
多分、叔母さんは都合いいように話をしていたのだろう。

「二度と電話かけてくるな！！」

と一方的に切られたのだ。
このまま引き下がるわけにはいかない。
なんとしても、おばあちゃんがいる施設を探し出し、会いに行く！

今までおばあちゃんをみてくれていることに
感謝して、多少の事実には目をつぶってきたが、
こんな非情なことをするんなんて・・・。
肉親の裏切り・・・、恐ろしく残酷で、醜いものだと知った。