事実は小説よりイキナリ

な、なのに～！

仕事から帰って、ご飯を炊いて夫の帰りを待っていた。

ピロロー♪

夫からの電話。

「今から帰るよー。」

「はーい！」

1分後。

ピロロー♪

「ごめん！ちょっと飲み会に誘われて・・・。」

そ、そうか。まぁ、仕事の付き合いも大事だね。

「うん。わかった。飲み代ないでしょ？一旦家に帰ってくる？」

「うん。悪いけどよろしくー。」

さらに2分後。

ピロロー♪

「・・・本っ当にごめん！！マジでごめん！！
　ヤッてしまいました・・・。」

「な、なに？！なにがあった？！」

訳もなく血の気がうせる。

「車がいない。レッカーされました・・・。
　申し訳ないけど会社まで来てほしい。
　それでー・・・、警察署まで・・・・、その・・・。」

グワァーン！！

「なんてことしてんのー！！」

電話の向こうで平謝りしている夫の声が遠くに聞こえる。

「・・・・一体いくらかかるの。」

超ドスのきいた声で問う。

「レッカー代と罰金で、3万ぐらい・・・・・。」

さ、３万！！！！

ショックで声も涙も出ない。
ため息だけがとめどなく続くばかりだ。

会社へ着くと、うなだれた夫の姿。

（はぁー・・・。もうこれ以上何も言わないよ。）

「ほら、行くよ。」

一通り手続きを済ませ、とっとと警察署を出る。
車を取り返して帰宅。

その番の夕飯はインスタントラーメン。
ご飯は翌日食べる。
夫は文句も言わず（つーか言えない）、私の分まで作ってくれた。

何も言うまいと思っていても、やっぱりため息混じりに愚痴が出る。
扶養に入れたいと言った夫の気持ちは嬉しいが、
正直、パートでは生活はきつそうだ・・・。
そんなことを考えていた矢先だっただけに、
今後の生活に暗い妄想を抑えられない。

やっぱりパートだと物足りないなぁ。
私もバリバリ働きたい！
で夫が主夫をして・・。

はぁー。なんだかなー。